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執筆者の写真BCB-JAPAN

雨がとりなす不思議な縁

久しぶりの雨が朝から降る。


店舗の隣は、親子で営んでおられる田んぼ。


米の銘柄は「日本晴」

米の生産に欠かせないのが、「水」

その水も、この地では「比叡山からの湧き水」が良く水温が低い

「良質な水」が米を豊かに育む。

今年は5月に雨が少なく、田が干上がる可能性があり、毎日見に来られる。

店外で作業をしていると、お隣さんが一生懸命に話して教えて頂いた。


品種としての「日本晴」や「みずかがみ」は以前より、近江の農家様

と付き合いがあり知っていた。


今は人気が無くなった「日本晴」ですが、日本の米には無くては

ならない品種であると。

昨晩、ネットで少し調べてみた。

日本の米の基準は、この「日本晴」が基準になっているそうだ。


今日、入庫してきたCHAMPION161&HONDA BF90Dを眺め、思い出が頭を過る。


2ストローク全盛のバスボート業界だった10年前。

当時のオーナーと相談して、2ストエンジンから転換した 4ストロークエンジン。


当時(今も)はこのカラーリングでは「バスボートには似合わない」

「ギア比が緩く走らない」などと、言われていた船外機。

格好良さは別としても、世界に誇る「HONDA」の船外機。

世界で初めて4ストローク船外機を世に出したのも「HONDA」だったと

思う。


以来50数年に渡って「環境負荷の少ない」4ストローク船外機を生産してきた。


故に、長年のノウハウが有りトラブルが非常に少なく、

週末ボーターのユーザー様には安心して使ってもらえる船外機でもある。


「何とかバスボートに載せてセットアップできないか?」


このボート以前にも、HONDA船外機を載せたバスボートは数艇リギングしていました。

ただ、その頃は当時の上司や業者様に任せて、ポン載せしただけのただ単なるボートでした。


大好きなメーカーの一つである「CHAMPION」

そのボートにHONDA BF90Dをバシッと決める。


「ギア比」


エンジン(パワーヘッド)で作られた回転は、バーチカルシャフトを通じロアケース(ギアケース)にそのままの回転数を伝え、ベベルギアを介しギアケース内で減速されプロペラシャフトに回転を伝える=プロップの回転数となる。

こんなイメージですね。


プロップのでよく言われる「ピッチ」とは

プロペラシャフトが一回転した際に進む距離(インチ)の事を指す。

「25ピッチはプロペラ一回転で25インチ前に進む力を発生させる」


現在のYAMAHA SHOやMercury2ストエンジンなどは、このギア比が

2.0:1以下であるのが普通。

上記ギア比2.0:1ということは減速比0.500なので、エンジン回転が

6000rpmだと、プロペラは3000回転回っている事になる。

このギア比の数値が少なければ少ないほど、エンジン回転に対し

プロップがより多く回転する事となり、前に進む推進力が多くなる。


同じ6000rpmでも2.0:1ギアと1.75:1ギアでは、前者が3000回転に対し

後者が3429回転する事となる。


ギア比一つで大きな差が付く事になります。


話しを戻し、HONDA BF90Dのギア比は2.33:1

何とも、バスボートには不向きな様な作り方をしている。


エンジンのハイトセットを変え、プロップを何度も見直したどり着いた

答えが、スリップ率3%切り

良くも悪くも、私をこの世界にドップリとはめるキッカケになった一艇。

そして船外機でもあります。



当時のオーナーとご納艇の日に、全開アタックしてチャインウォーク出しまくりで

死にかけた事も今となっては笑い話で終わる。


そのオーナーから引き継いだ次のオーナーが、東近江で農家をされている息子様。

こだわりを持った、米作や野菜などを多く作られている農家様で、バスボートが

繋いだ不思議な縁。

「日本晴」「みずかがみ」などの米を教えて頂いた。


そのオーナー様も今はボートを降り、良きパパとして子育てに励んでいます。

その彼や仲間から、開店のお花を頂いた。

バスボートがとりなす、不思議な縁。


米作りに見える農家様の魂もバスボートに掛ける私たちショップ様の想いも

大きく大差は無い。


やっと降った雨。水路に水が流れ込む。


これで隣の米も暫くは安心ですかね。

おいしい「日本晴」が育てば良いですね。


私はこれからも、答えの出ない環境の中でお客様の笑顔を育める様に努力しましょう。


店主

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